【位置情報活用例】初詣の参拝者が少ない時間を可視化してみた
こんにちは。シナラでインターンをしている西です。
突然ですが、皆さんは今年初詣に行きましたか?
初詣には行きたいけれど、元日に初詣に行くと人混みが激しいので元日には行かないという人も多いです。実際、明治神宮では年末の夜8時から夜通し並ぶこともあります。
また、友人・家族連れでお参りする方だと待ち合わせて初売りセールを冷やかしつつ一緒に大きな寺社に参拝する、なんてこともあるようです。
何人かで行くなら待ち時間も苦にならないかもしれませんが、それでも冷え込む時期に外で何時間も立ちっぱなしになるのは辛いですよね。なるべく並ぶ時間を減らしたいのが人情というもの。
スピード感が大事なベンチャー企業のシナラのインターンとして、さっそく2020年初詣の最適化をしよう!
ということで、位置情報を活用して、いくつかの大きい寺社について時間ごとの参拝者数を調査しました!
調査対象と調査手法の紹介
調査対象の寺社をご紹介します。
明治神宮
日本でもトップクラスの初詣参拝者数を誇る神社です。
近くのショッピングモールでは元日から初売りが行われていたので、そちらに来訪したユーザーは検知しないよう検知範囲を調整しました。
厳島神社
島にあるという特性上、神社までの移動手段がフェリーに限られるため、検知したユーザーはほとんどお参りをしていると考えられます。そのため、比較対象として調査しました。
自分の出身が広島で、お参りをしたこともあるので、実際混み具合はどんなものか肌で感じているのもあります(笑)
浅草寺
日本は神仏習合なので神社とお寺どちらにお参りをしても問題ないそうですが、実際は違いがあるのかどうか?というところを検証したく調査しました。
調査した後で気づきましたが、明治神宮と比べても、いくら同じ東京にあるとはいえ原宿・表参道と浅草では立地に差がありすぎて参考にならない説が濃厚ですね……
立地による差がどう影響してくるのでしょうか?
住吉大社
ここまでで関東に調査対象が偏っているため、大阪にある住吉大社も調査しました。
分析手法について
- 計測日時:大晦日+三が日、つまり2018/12/31~2019/1/3
- VenueVitalics™を用いての分析
※VenueVitalics™とは:特定エリアのユーザーの数や属性を分析するシナラのソリューションです。今回は上記4日間それぞれで、時間帯ごとの検知者数の推移と、トータルでどの年代が最もよく検知されたかを男女別に分析しました。 - ざっくりとした傾向が見られたらそれで十分&寺社ごとに参拝者数が大きく異なるので、寺社ごとに一番参拝者が少なかった時間帯の人数を基準とした比でグラフに表しました。結果欄のグラフの縦軸の数字がないのはこのためです。
仮説
- 明治神宮は原宿・表参道から近いので、他の寺社に比べて若い人が来やすいのではないだろうか。
- 三日目くらいには参拝者は31日の日中と大差なくなるのではないだろうか。
皆さんも予想してみてから以下の結果を読んでみてください!
結果
後ほど細かく考察するので、取り急ぎサクッと結果を発表します!みなさんの予想と比べながらご覧ください。
明治神宮
元日の夕方に一気に検知数が増えているのが特徴的ですね!これはなぜなのか気になります。
元日と二日目は6時〜16時の検知者数にほとんど差がないのもポイントですね。
性別・年代で見てみると男女ともに20代前半に集中していることがハッキリわかりますね。
厳島神社
三が日を通して日中の検知者数にほとんど違いがなかったのが特徴です。
元日よりも二日目・三日目の方が昼時は検知者数が多いですね。
宮島では性別・年代共に違いがあまり出ていませんでした。
浅草寺
初日の出を見るためか、31日深夜から1日早朝にかけてはどの寺社も他の二日とは比較にならないくらい人が来ていますね。
元日の4時〜7時に一旦落ち着いているのは、カウントダウンが終わった影響でしょうか。
参拝者数の内訳はコチラ!
男女ともに40代前半の参拝が多いですね。
明治神宮とは来場者層に大きな違いが出ています。
住吉大社
31日深夜に急に上昇し、そこから日をまたぐと一気に下がっています。
意外にも最も時間あたりの検知者数が多いのは三日目の11時ですね!
住吉大社も男女ともに20代の参拝者が多かったものの、明治神宮ほどの偏りはありませんでした。
考察
全体の傾向
12/31は深夜に増加
カウントダウンや初日の出目当てと考えられます。
元日は昼間がピーク
朝年賀状チェックしてからお参りした、単に前日夜更かしした結果初詣に行く時間が遅くなったといった理由が考えられます。
トータルの来場者数は元日が最も多いが、ピークの時間帯に注目すると三日間で大きな差はない。
むしろピーク時間だけ見たら、二日目三日目の方が元日より多いこともありました。元日は混むからとみんなが避けた結果集中してしまったのかもしれません。
それぞれの寺社について
明治神宮
- 元日夕方に一気に増えたのは?→近くであった初売りの影響考えられます。(ショッピング→初詣という流れが予想される)
- 若年層が多かったのは?→近くに若者向けのアパレルなどが多くあるからではないでしょうか。
- 早朝のピークはなぜ?→初日の出を見たい人がやって来た可能性が高いです。
厳島神社
- 3が日のいずれも来場者に大きな違いがなく、性年代差も少なかった理由は?→老若男女を選ばない観光地という特殊な立地が考えられます。また、移動がフェリーのみなので、三が日を通じ来場ペースが一定になることも原因にありそうです。
浅草寺
- 早朝のピークはなぜ?→こちらも初日の出を見たい人が来訪したと考えられます。
住吉大社
- 若年層が多かったのは?→あべのハルカスから電車で15分ほどという立地のため、ショッピング前後に参拝に来た可能性が考えられます。これはあくまでも得られたデータから類推したことにすぎませんが、実はこれも検証できます。
(今回は疲れたので取り扱いませんでしたが、VenueVitalics™️では下の画像のように来場までに使用した駅・路線についても計測できるからです。)
結論
ここまでの調査をまとめると、できるだけ人混みの少ない時間帯にお参りしたいなら
元日の朝が最も狙い目
と言えます。初日の出が出るか出ないかの時間に起きて、お参りに行き、昼間はおせちやお雑煮をつまみつつゴロゴロダラダラ過ごす…シナラのインターン生として、このお正月プランをご提案したいと思います。来年の年始にぜひご検討ください。
おまけ
VenueVitalics™️では、性別年代以外の属性も分析できます。
ここでは、VenueVitalics™️でできる属性分析の一部をご紹介します。
居住地
「どこから来たのか?」を都道府県や市区レベルで分析することができます。
今回は明治神宮に来た人がどこから来たか都道府県別で見てみましょう。上位の一部を掲載します。
上位4件は東京とその近辺ですが、兵庫県や大阪府からも来場しています。
多かった東京エリアについては、ヒートマップでさらに詳しく見てみましょう。
郵便番号ヒートマップ
画像の右中心付近が明治神宮ですが、その周辺地域からの来訪が多いですね。
ただ、「世田谷区南烏山」「世田谷区船橋」のように世田谷区からの参拝者も明治神宮周辺ほどではないですが来訪率は高めです。
エクスペリアンモザイク
上の画像のように、性年代や居住地だけでない属性分析も可能です。
若い世代を連想させるワードがちらほらと……
「高級住宅のエグゼクティブ」などは、先ほどのヒートマップを見るとわかりやすいかもしれません。
位置情報と契約者情報を組み合わせることで、このように色々な分析ができます。
ご興味の湧いた方は、コチラから資料をお取り寄せください。