デジタルマーケティングに役立つ!統計入門【③少ないデータでコスト&時間の節約!拡大推計とは?】

統計の基本を解説しよう!ということで始まったこのシリーズも、早いもので今回が最終回です… これまでの二回で統計の必要性や基本概念についてはご理解いただけたと思います。

しめの第三回は、統計が生み出した最も強力な分析手法と言っても過言ではない「拡大推計」について紹介します。名前はカッコいいですが、実際やっていることは皆さんも日常でやっているとある行為です!

拡大推計とは?

皆さんは料理の味見をする時、どうしていますか?あまりに美味しくて手が止まらなかった、な〜んて時を除いて、一口二口で済ませるはずです。

「全部味見しないと味にムラがないかどうかわからないじゃないか!」なんて言う人はいないと思います。なぜなら、一口味見すれば全体の味がわかるからです。

データ分析の世界で言う「味見」を拡大推計と呼びます。第1回でご紹介した「サンプリング調査」とは、普通全てのデータを扱うことは難しいので、誤差が生じる可能性を踏まえつつ全体の数%程のデータを抽出する調査でした。

この抽出したデータをもとに本来調べたい母集団全体を類推することを、「拡大推計」と呼びます。

「データを長してきな集団の推計をする」

と覚えると覚えやすいです。

拡大推計のコツ

拡大推計の手法には色々ありますが、ここではウェイトバック集計を紹介します。

拡大推計は、必ずしもサンプリングデータを母集団のデータ数になるよう掛け算するだけでいい、というわけではありません。

例えば、来店者の男女比が1:1のスーパーのポイントカード所持者の比率が、男女比3:7であるとして、購買履歴から得られたデータを商圏全体に当てはめて考えたいとします。この時、分析結果を単純に掛け算してしまうと女性のデータが色濃く反映されたものができてしまいます。この掛け算したデータを以後の施策に活かそうとしても、男性にヒットする施策には結びつきづらそうです…

こうしたケースでは、分析結果を、実際の構成に合うように補正をかける必要が出てきます。この補正をデータ当たりの「重み」、すなわちウェイトと呼びます。

この時、より回答に影響を及ぼす要素のウェイトが重くなります。上記の例だと男性のデータは少ないので、母集団全体(=男女比1:1)を考える時には男性のデータを一人分でも複数人分としてカウントしようね、ということです。

一言でまとめると、ウェイトバック集計とは、単純に掛け算で母集団を考えられない時の手法と言えます。

なお、シナラではウェイトバック集計をどう活用しているかというと、「広告接触者と非接触者の来店率」の比較などに使われています。もちろん、他にもケースバイケースで、様々な手法を活用しています。

ビッグデータvs拡大推計?

現代は「ビッグデータ」という言葉が認知されて久しいので、こうした拡大推計の手法はもはや不要では?と考える方もいるかもしれません。ですが、本当にそうでしょうか。

この問題を考える前に、ビッグデータの定義を振り返ってみましょう。そもそも、ビッグデータとは直訳すると「大きいデータ」ですが、単にデータ量が多いだけではありません。総務省では、ビッグデータを「事業に役立つ知見を導出するためのデータ」と定義しています。

また、ビジネスで活用されるものについては、

  • 様々な種類や構造が含まれるデータ群
  • 日々膨大な量が生成されるデータ群
  • 今まで管理・活用できていなかったデータ群

というニュアンスで表現されることが多いようです。

この定義から考えると、

ビッグデータを活用すること=今まで管理できていなかったデータを管理し、事業に役立てること

と考えても良いでしょう。

この「事業に役立てる」というのが曲者で、データをなんとなく解析しただけではなかなかうまくいきません。なぜなら、利用できるデータが如何に増えようとも、そのデータの因果関係を洞察するのは人間の仕事だからです。ビックデータは数こそ大きいですが、マーケティングに役立つデータは全ての人のものが集まるわけではないですし、先述のスーパーのポイントカードの例のように偏りも生じます

つまり、ビッグデータは確かに強力ですが、データの特徴を理解しないとうまく活用できません。

ビッグデータと拡大推計は対立する関係というよりは、むしろ逆に拡大推計の知識をビッグデータに応用して新しい知見を得るといった、共存関係にあるというべきかもしれません。

まとめ

統計学は医療・政治・経済・ビジネス、、、と様々な場面で活用されています。

これまでの記事で解説してきた内容はそのほんの初めの一歩です。

IT技術が進み、大量のデータが処理できるようになっても、いえ、むしろ処理できるようになったからこそ、個々人の「データを正しく分析するスキル」が重要性を増してきています

この記事が皆様のスキルを伸ばし、迅速かつ最良の意思決定を下せるようになるきっかけになれば幸いです。

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