位置情報は、次世代のインフラ?測位技術の違いやビジネスとしての可能性

次世代のインフラ

近年、位置情報はさまざまなサービスで活用されるようになり、次世代のインフラとまでいわれるようになりました。こうした期待の背景には、IoTの盛り上がりや、測位技術の発達があります。

位置情報を取得するための測位技術は、大きく分けて「衛星測位」と「屋内測位」の2つがあり、それぞれ用途が異なります。「衛星測位」のなかでも私たちにとって最も身近なのは、GPS測位です。「屋内測位」は、GPSでは把握できないより細かな位置情報を取得するシステムです。これらの仕組みについては後ほど詳しくご紹介します。

位置情報が次世代のインフラとして注目されている理由

次世代のインフラ

位置情報が次世代のインフラとして注目を集めている理由のひとつは、オンライン上だけでなく、オフラインでのユーザーの行動を捉え、より多くの顧客へのリーチと理解を可能にするからです。

2018年4月に経済産業省が発表したデータ(出典元:『電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました~国内BtoC-EC市場規模が16.5兆円に成長。国内CtoC-EC市場も拡大~』http://www.meti.go.jp/press/2018/04/20180425001/20180425001.htmlによると、日本国内のEC化率は消費行動全体の5%ほど。前年と比較すると拡大はしているものの、残りの95%はオフラインでの消費行動にあたります。

これまでデジタルマーケティングにおいては、クッキーデータやアクセスログなど、オンライン上のあらゆるユーザーデータが広告配信やサイト改善に活用されてきました。しかし、実際そのデータが示すのは消費行動全体のたった5%でしかないことを、同調査は示しています。

位置情報は、この95%のオフラインでの顧客行動を捉えるのに大いに効果的です。たとえば、来店頻度の高いユーザーでセグメントを作ったり、実際に来店し、購買意欲が高まっているタイミングで広告を配信するような、顧客のモーメントを捉えた施策が可能になるのです。

測位の手法

一口に位置情報といっても、その用途はさまざま。何を目的とするかで情報を取得するための測位技術も異なります。前述したように、その技術は大きく分けて「衛星測位」と「屋内測位」の2つ。

それぞれテクノロジーの発展とともに取得方法も多様化、細分化しています。以下では、Wi-FiやGPS、ビーコンといった比較的一般的な技術を中心に、その特徴やを紹介します。

Wi-Fi

店舗の屋内に設置してあるWi-Fi経由で、スマートフォンやタブレットといったデバイスの位置情報を取得する技術。Wi-Fiをオンにしているデバイスを検知することで、位置情報をカウントします。

壁があれば別のWi-Fiを拾うので、商業施設内での移動など、ユーザーの動きを細かく把握することができます。また、AppleやGoogleといったテックジャイアントが、Wi-Fi基地局の位置情報データベースを世界中に構築していることに象徴されるように、最も普及したインフラともいわれています。そのため、膨大な位置情報を得ることが可能です。

GPS

上空にあるGPS衛星を活用して、スマートフォンやカーナビゲーションといった、さまざまな端末の位置を測位する技術です。Wi-Fi測位のように、施設内でのユーザーの動きなど、細かな動きを計測することはできませんが、長距離の移動など、粒度の大きな動きを把握するのに役立ちます。

ビーコン

ビーコンは、街中に置かれた発信機を使って、デバイスに搭載されている受信機に信号を送信します。受信された信号を計測することで位置情報を取得する技術です。主に屋内測位や、高速道路の渋滞予測に用いられています。

Bluetoothの信号は、基本的に半径10メートル程度しか届かないため、発信器は多く設定する必要があります。同じ屋内即位のWi-Fiと比較すると普及率が低いという課題があります。

IMES

IMESは、GPSと同じ方式の発信器を屋内に設置することで、既存のスマホのGPS受信機能を流用し、屋内と屋外の位置情報を測定する技術です。仕組み上は、広範囲の位置情報も屋内の位置情報も取得することができ、次世代の測位技術として一部では期待を集めていました。

しかし、肝心のスマホそのものをIMES対応に更新する必要があり、企業の大半が海外企業である点を考慮すると、国内独自の仕組みであるIMESの普及は難しいかもしれません。

基地局の情報

ここでいう基地局とは通信企業が持つ、携帯電話端末に向けて電波を送出するアンテナが設置された施設。基地局の情報は、基地局のカバーするエリアの大きさにも影響されるため、精度が低くなるといわれています。

通信事業者が構築する携帯電話網の末端にあたる施設ともいえます。

精度が高いのはどれ?

正しさのイメージ

位置情報を使ったサービスを導入する際、導入するためのコストやスピードもさることながら、気になるのはその位置情報の精度です。では、上記のなかでどの測位技術が精度が高いのでしょうか。

そもそも精度とはなにか

結論を急ぐ前に、まず精度とは何かを定義しておかなければなりません。位置情報の精度を定義付ける要素は大きく分けて2つ。それは、受信機の設置数と普及率、そしてセンサーの感度といった技術力です。

普及率が高ければ高いほど、膨大なサンプルが増え、その精度は益々強固なものになっていきます。しかし、ただ量が膨大であればいい、というわけではありません。ユーザーの動きを正確に捉えるための技術力が土台にあってこそ、精度は高められていくのです。

目的に合った技術を適切な形で使うべき

この定義に従うなら、上記に述べた5つの技術のなかで「どれが精度が高いのか?」という質問に対しての答えは、商業施設など屋内での位置情報であればWi-Fi、施設そのものへのアクセスや広範囲にわたる位置情報ならGPS、となるでしょう。

ビジネスにおいては、それぞれの特性をしっかり理解したうえで、これらを目的に応じて適切な形で活用することが重要です。

Wi-Fiは、屋内でも高い精度で測位できる技術

屋内の様子

とくにWi-Fiは、GPSに比べ顧客行動を細かく把握することができるため、ユーザーの趣向を知るのに非常に適してします。そのため、マーケティング領域での活用には非常に適しています。

技術の優位性

シナラもWi-Fi測位を強みとしており、位置情報を活用した広告配信プラットフォーム、「REAL PEOPLE™」と分析サービス「REAL SIGHT®」を提供しています。両サービスの一番の強みは、Wi-Fi経由で取得する膨大なデータ量に加え、大手通信キャリアが持つ契約者情報を活用可能な点。

シナラのプラットフォーム自体はデータを保有しておらず、Bidリクエストごとに、通信キャリアに納品したDMPに問い合わせを行うデータハブとしての役割を担っているため、膨大なユーザーデータを処理し、提供することが可能なのです。

また、計測技術もシナラのプラットフォームが持つ強みのひとつ。ユーザーのデバイスから発せられる電波の強度や滞在時間、そして店舗の営業時間という3つのフィルタリングにより、広告やWebからの高精度な来店計測が可能です。

広がる可能性

こうしたマーケティング領域における位置情報活用が進み、ユーザーの行動がこれまで以上に可視化されれば、オンラインとオフラインを活用したマーケティングが一般的なものになるかもしれません。

位置情報ビジネスの可能性

ビジネスパーソン

実際、位置情報を活用したビジネス市場は今後大きな成長を期待されています。特に屋内位置情報システム市場は、矢野経済研究所が今年の1月に発表した調査によると、2022年に78億5000万円にまで及ぶといいます。

これは、広告やプロモーションといったマーケティング領域での活用という点だけ出なく、製造分野におけるIoTへの大きな期待も背景にあります。

たとえば、工場内で製品の部品にセンサーをつけ、受信機で位置情報を把握することで、生産ラインを可視化し、生産効率を改善する取り組みも実施されているようです。

経営コンサルタント、起業家としても有名な大前研一氏が、「位置情報というものが、これまでより遥かに高精度かつ低コストで、身近に使えるようになった今、位置情報ビジネスのチャンスがみなさんの目の前に広がっています」(ビブリオンより)と話すように、位置情報は今後益々、さまざまな分野で活用されていくでしょう。

追伸:
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