位置情報を使ったデジタル広告のメリットと仕組み

昨今、位置情報連動型広告配信の注目度が高まっています。ネット上では特定不可能だったセグメントへ、適切な場所・時間に訴求メッセージを届けられるので、大手IT企業のみならず中小企業や、小さな飲食店にまで利用が広がっています。

位置情報を使ったデジタル広告では、スマートフォンのGPSやWi-Fiスポットのアクセス等から利用者の位置を検知して、特定の場所・時間にいるユーザーに広告配信を行います。

位置情報データを活用することで、検索よりも強い動機の「行動」、WEBデータではわからない無意識レベルの「習慣」が見えてきます。潜在ニーズの高いユーザーが特定できるのです。そうしたユーザーに、狙った場所・タイミングで広告を送れば高い広告効果が期待できます。ユーザーに新鮮な驚きと効果的な情報を伝える方法として、多くの広告主から注目が集まっているのです。

この記事では、位置情報広告の基礎知識から、最新サービスまで紹介します。

位置情報連動型広告配信を支えるアドテク

アドテクノロジーは欠かせない

位置情報連動型広告配信を行うには、アドテクの活用が欠かせません。

DMPに集まった膨大なデータの解析技術は日々進化を遂げています。
GPSやWi-Fiのアクセスデータから集まるユーザーの位置情報の他にも、クッキー、IDデータがDMPに集まり、そのデータをもとに、ユーザーセグメントを作成。
そしてDMPのセグメントデータをDSPと連携します。
DSP内でクリエイティブ分析、広告枠の買い付けを行い、各メディアに広告を配信していくのです。

アドテクによってこのようなプロセスが実現し、広告が最適化されます。効率的・効果的な位置情報連動型広告配信をアドテクが支えているのです。

位置情報連動型広告がいま脚光を浴びる理由

スマホを見る男性

位置情報連動型広告がいま脚光を浴びる理由は3つあります。まず測位技術の発達、通信環境の向上、そしてデバイス容量の増加です。

これまでジオターゲティングの精度は未熟で、ユーザーの位置を大まかな地域までしか推定できませんでした。しかし昨今はスマートフォンの普及に伴い、GPSやWi-Fiのアクセスデータなどから位置情報データが獲得可能に。

また年々、通信環境やモバイルデバイスの性能が向上しています。膨大な位置情報データを保管し送信する術を得たことも、ターゲティングの精度が向上したひとつの要因です。

その結果、「特定の場所のユーザーに」「適切なタイミングで」広告配信ができるようになり、利用する企業が増加しているのです。

ユーザーの位置情報を測位するのには、一般的にGPSが利用されます。しかし、バッテリーの消耗やプライバシーの保護を理由に、GPSをオフにするユーザーも少なくありません。そこで、その問題点を解決するのが、Wi-Fiスポットからの位置情報取得です。

また、屋内においては、GPSよりもWi-Fiの方が正確な位置情報を取得できます。GPSは衛星との通信をしているため誤差が約15mあり、建物の中に入るとターゲティングの精度が落ちます。

シナラが提供する「REAL PEOPLE™」「REAL SIGHT®」では、Wi-Fiの検知データを用いたターゲティングをご利用いただけます。

シナラのジオターゲティング広告配信サービス紹介

ターゲティングのイメージ

Wi-Fiの位置情報をもとにジオターゲティング広告配信サービスを展開しているのが「シナラ」です。

シナラは、通信キャリアの膨大なユーザーデータを活用したマーケティング・プラットフォームです。シナラでは、今まで使えなかった通信キャリアのデータを、個人情報保護の問題をクリアして活用可能に。そのデータを、広告配信とデータ分析に役立てています。

これは、通信業界とアドテク業界の両方に精通したシナラ独自の技術です。

また通信キャリアのデータに加え、ユーザーの位置情報データを広告配信に活用しています。
通信キャリアのWi-Fiスポットは全国に40万箇所あり、そこにユーザーがアクセスすることで、彼らの位置情報を特定するのです。

そうした通信キャリアのデータ、位置情報データなどのREALデータを利用することで、シナラではより効果的な広告配信ができるのです。

これまでマーケティングに用いられてきたWEBデータでは、ネット上の行動からデモグラフィックを推測し、閲覧ページや検索ワードの興味関心軸からペルソナを特定してきました。しかし、デモグラフィックは推測の域を出ず、ペルソナのWEB上の関心がリアルの行動に結びついているかはわかりません。

しかし、シナラが活用するREALデータでは、スマートフォンの契約情報からデモグラフィックを特定して、ユーザーの位置情報から居住・活動・行動軸を把握し、ペルソナを分析します。

REALデータでは、ネット上の検索でおわらない、ユーザーの日常的な「生活習慣」「行動」という強い関心がわかります。契約情報、位置情報というREALデータを活用することで、ユーザーの実情をよりリアルに理解できるのです。

どんなセグメントが可能になるのか?

セグメントのイメージ

REALデータを用いることで、これまで特定できなかったセグメントが作成できます。

位置情報データの検知は、アプリやGPSの起動が必要ないため、そのデータ量は膨大です。ロケー ション数はなんと、1ヶ月で500億件以上。そのREALデータからユーザーの「行動」「生活習慣」を分析することで、WEBデータでは特定できなかった、新しいセグメントが作成できるのです。

例えば、検知場所・時間・期間を想定することで、下記のようなゼグメントが作成できます。

  • 残業続きのビジネスパーソン
    全国の従業員1,000人以上の企業があるエリアで平日22:00~25:59の間、直近1ヶ月間に5日間以上検知できたユーザーは、「残業続きのビジネスパーソン」の可能性があります。
  • 都道府県跨ぎの長時間通勤者
    活動拠点は東京・大阪・名古屋・福岡・札幌のいずれかですが、居住エリアはそれ以外のユーザーは、「都道府県跨ぎの長時間通勤者」と分析できます。
  • パーティー好きの「リア充」
    東京・大阪・名古屋・福岡・札幌のクラブ、エリアにて直近1ヶ月間、22:00~28:59の間に3日以上検知できたユーザーは「パーティー好きの『リア充』」と推定できます。

このように、WEB検索ワードや閲覧ページから特定できなかった、リアル行動に即した細かいターゲティングを実現できるのです。

どんな活用方法があるのか?

その他にも、検知場所と複数の要素を組み合わせることで、様々なセグメントを作成できます。

  • 「検知場所 × 検知時間」から、早朝のコンビニ利用者、深夜のコンビニ利用者がわかる
  • 「検知場所 × 検知頻度」から、ハンバーガーショップに週5日通っている消費者は、ファースト  フードヘビーユーザーと推定できる
  • 「検知場所 × 検知時期」から、免許取り立てユーザーの分析ができる
  • 「検知場所 × 居住エリア 」から、検知場所と普段住んでいる場所のギャップがわかり、長時間通勤者や国内旅行を頻繁に行うユーザーかがわかる

生活者の行動実態に即したターゲティング広告の配信

シナラを利用することで、生活者の行動実態に即したターゲティング広告が配信できます。

例えば、WEBデータからわかる「野球好き」は、検索ワードや閲覧Webページから推定するため、「野球全般に興味があること」までしかわかりませんでした。しかし、REALデータを活用すれば、より詳細に野球好きをターゲティングできます。

バッティングセンターにいるユーザーであれば、デート利用や、 会社帰りのストレス解消が目的のライトな野球好きの可能性があります。草野球場にいるユーザーであれば、自分で野球をプレイするコアな野球好き。野球観戦場にいるユーザーならコアな野球好きの中でも、観戦メインのユーザーの可能性があると分析できます。

特定の“モーメント”を想定して、場所と時間を組み合わせた広告配信

特定のユーザー向けにカスタマイズしたメッセージを、ユーザーにとって最適な瞬間に届けることができます。

例えば「中野駅の朝7:00~9:30」に広告配信をすることで「出勤中」のユーザー向けにメッセージを送れます。出勤しているユーザーの場所・時間帯を想定し、そのシチュエーションに最適な広告を届ければ、広告効果はより高まるでしょう。

日頃、外出しがちでテレビを観ない層だけを狙う、TVCMのリーチ補完

位置情報広告を用いれば、TVCMのリーチを補完できます。

まず、普段外出してテレビを観ないユーザーを検知場所と検知時間から特定します。そして、CMオンエアの時間帯に彼らへ配信することで、TVCMのリーチを外出層にも広げるのです。

また、外出層への広告配信が実際に効果をあげたのか、インクリメンタル・リーチの検証もできます。興味・購入意向を、シナラの広告接触者、非接触者で比較することで、態度変容の検証も可能です。

まとめ

テクノロジーを彷彿させるイメージ

テクノロジーの進化とともに発展し、注目が高まる位置情報連動型広告配信。その中でもシナラのジオターゲティング広告配信サービを利用すれば、ユーザーの生活習慣をもとにセグメントを特定でき、メッセージを最適な瞬間に送れます。

伝えたいターゲットが明確な広告主は、シナラを用いることで、より高いコンバージョンが期待できるでしょう。ユーザーにとっても、興味のない広告を受け取るより、最適なタイミングで好みの情報を取得することは良い驚きや喜びを生みます。

位置情報連動型広告配信は、広告主、ユーザーにとっても好ましい影響をもたらすはずです。
シナラの位置情報マーケティングソリューションでは、お客様のニーズに沿った分析・ターゲティングを行います。ぜひお気軽に、お問い合わせください。

追伸:
シナラでは、残業続きのビジネスパーソン、長時間通勤者、居酒屋頻繁利用者等、シナラだからこそできる独自のセグメンテーションを多数ご用意しております。詳細はこちらからご確認下さい。」

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