今回は、位置情報ソリューション導入の成功事例として、東海汽船株式会社の上田氏にお話を伺いました。

東海汽船株式会社は日本の海運会社であり東京本土と伊豆諸島を結ぶ航路を運航しています。そして夏の一定期間のみ、東京湾を約2時間クルーズする東京湾納涼船を運航しています。

その中で上田氏は、広報宣伝や東京湾納涼船の企画を担当されています。上田氏は、SNSやリスティング広告の掲載等、デジタル広告中心の施策を行っていました。その中で、広告掲載の結果集客に結び付いているのか定量的に見えない課題を抱えていました。

導入前の悩み：デジタル広告がどこまで集客に結び付いているかが分からない…

「東京湾納涼船の利用者は若年層が中心ですので、宣伝広告は紙媒体よりもデジタル広告を中心に取り組んでいます。しかし、同一のお客様に何回も広告が表示されることでその場でクリックして予約に至らなくても後日思い出したタイミングで予約をされるお客様が一定数いらっしゃると思っています。その場合は広告の効果と結びつけることができないため、どこまで集客に結び付いているのか正確に計測できないことが課題でした。

導入のきっかけ

「そのような課題がある中、デジタル広告接触者が乗船したことを計測できれば正確に広告効果を計測できると考え、シナラさんのソリューションを導入しました。
また、ターゲティングについても魅力に感じています。例えば他社の媒体だと、最寄り駅周辺の5キロにいる方に対してターゲティングは可能ですが、過去、納涼船に乗った方へのターゲティングは難しいです。でもシナラさんだと、実現ができると伺いましたので『では1回やってみよう』ということでお願いさせていただきました。」（上田氏）

導入後の変化

シナラのソリューションを導入したのちの変化についてお話をお伺いしたところ、以下の3点を挙げていただきました。

結果①リピート顧客の獲得に繋がった

「デジタル広告経由での来店をWi-Fiで可視化できたのが、分かりやすくて非常に良かったと思います。SNSやデジタル広告など様々な媒体ではクリック数やコンバージョン数を図ることはできますが、実際に来場された方の数は分かりません。そのため、広告経由で『来てもらった』ことが分かるのがすごく良いと思います。

また、以前船内でアンケートを採ったところ、4割ぐらいはリピーターだという結果が出ていました。そうなると、前年来てくださった方に対して直接広告を出して、もう一度の来場を促すことは重要だと感じていましたので、それが実現できるシナラさんの広告配信は非常に役に立ちました」（上田氏）

結果②費用対効果が分かるようになった

「以前はデジタル広告が本当に来場につながっているか見えづらかった部分がありましたので、社内でも、どこまで広告投資にアクセルを踏んでよいのか判断できかねていました。しかし、シナラさんのデータのおかげで『これくらいの費用感でお願いすれば、これくらいの数が見込める』ということが分かったので、広告投資の塩梅がわかるようになりました。」（上田氏）

結果③施策の改善に繋がった

「2018年、2019年と継続して活用することで、投資対効果が予測できるようになりました。もちろん継続的な改善は必要ですので、次回は、地域やセグメントを変えたり調整しながらより良い結果に繋げたいと思います。」（上田氏）

上田氏へ今後の展望についてもお聞かせいただきました。

「2020年は新しい船で東京湾納涼船を行うため、広告宣伝のあり方もブラッシュアップしていくつもりです。来年に向けて新たな船内イベントの企画やその打ち出し方、コミュニケーションに関しても、いろいろ変えていく中で今回の施策結果は意味を持ちます。定量的に見える化された数値をヒントにより良い改善策やリピーターを作る方法が見いだせるのではないかと思っています。また継続していくことで、さらなる実績の向上につながるのではないかととても楽しみにしています。」（上田氏）

シナラのソリューションをどのような方にお薦めしたいかをお伺いすると、上田氏から以下のようなお答えをいただきました。

「これまでお話しさせていただいたように、本当は来場数をKPIに設定したいけれど、他に適切なものがないために、クリック数等に置いている方にオススメですね。さらに、位置情報で地域を絞って配信されたい方にもおすすめです。例えば特定の地域へ広告配信を行った結果の数値は他の広告媒体の想定来場数を推測するのに使えます。可視化することで、どんどん新たな取り組みの可能性が出てくるのが素晴らしいなと思っています。」（上田氏）