【自治体事例】 ツーリズムEXPOジャパン効果検証、ブース訪問者はその後観光地へ訪問するのか?

 今回ご紹介するのは、自治体が位置情報を活用したマーケティング事例です。取材したのは公益財団法人大阪観光局マーケティング戦略室室長牧田拡樹氏。国内向けの観光需要の促進に向けて出展したツーリズムEXPOジャパン2019大阪・関西の効果検証を行いました。

ツーリズムEXPOジャパンとは、日本観光振興協会(JTTA)、日本旅行業協会(JATA)、日本政府観光局(JNTO)が開催している旅行業界の見本市です。毎年150を超える国・地域が各地域の最新観光情報を提供する、観光の魅力を発信する場となっています。

今回はシナラの位置情報を用いたイベント展示の効果検証を行いました。イベントブースへWi-Fi端末を設置することで来訪したユーザーがその後大阪の各観光地へ実訪問したか計測を行いました。


データ活用を通したマーケティング施策の立案と実行を担う大阪観光局マーケティング戦略室

──まずは大阪観光局、そしてマーケティング戦略室の業務内容について教えていただけないでしょうか?

▲牧田氏

「大阪観光局はその名の通り大阪府における観光事業の企画や実行を担っている組織です。通常は自治体が先に政策と予算を決めた後で実行は業者に任せることが多い中、大阪観光局では政策立案と実行両方を行っています。そのため、期待する効果を得るために必要な予算を適切に申請したり、企画・実行に一体感を持たせることが出来ます。」(牧田氏)

──マーケティング戦略室ではどの様な業務を行っていますか?

「マーケティング戦略室では観光事業立案に関わるデータの企画、収集、そしてData Management Platform(データ マネジメント プラットフォーム、以下「DMP」)構築をミッションとしています。DMP構築は数年前からスタートして今年の4月から運用開始予定です。」(牧田氏)

──DMP構築に向けて具体的にはどの様なデータを収集されていますか?

「データの中身は多種多様でして、位置情報から取れる行動導線や各種調査で取れる満足度や消費金額などが挙げられますが、総じてインバウンドの観光データが多い傾向にあります。」(牧田氏)

課題はインバウンドに偏っているデータと位置情報精度

──様々なデータを活用していく中で抱えていた課題を教えてください。

▲牧田氏

「我々が抱えていた課題は大きく2つありました。まず、インバウンドの施策に注力しているためデータがインバウンド中心になっていること。2つ目は今回のツーリズムEXPOジャパンの効果検証にあたってブース訪問者を補足するデータが必要だったため、精度が高くなければいけない点です。
 シナラさんは通信キャリアの国内データと高精度なWi-Fiの位置情報を活用できる点でご相談させていただきました。」(牧田氏)

──ありがとうございます。ツーリズムEXPOジャパンでお手伝いさせていただいた施策について具体的なお話をお聞かせいただきたいと思います。

ツーリズムEXPOジャパン検証の目的と成果

──ツーリズムEXPOジャパンの分析におけるポイントを教えていただけないでしょうか?

「今回のツーリズムEXPOジャパンの分析で見たかったポイントは2点です。まずどの様なユーザーがどの程度ブースへ立ち寄っているくれているか?そして2点目はそのユーザーがその後大阪府内の各観光地へ実際に足を運んでいるのか?特にブース出展の効果を見ることが出来る後者には大きな期待をしておりました。」(牧田氏)

──ありがとうございます。今回の分析結果から得られた成果やご感想をいただけないでしょうか?

< レポートより一部抜粋>


「一番の発見はブースの効果を定量的に検証できた点です。ブース訪問者の45.3%が設定した各観光地点へ訪問することを確認できました。半分近く移動した、という結果は今回のツーリズムEXPOジャパンが大阪開催だった影響が大きいと思っていますが定量的に数値を取得出来たことが大きな一歩と思っています。」(牧田氏)

──今後の展望について教えていただけないでしょうか?

「今回はまだ中間レポートでしたので、最終レポートを見てから判断とはなります。最終レポートで期待しているポイント最終的な各観光地の回遊率、そして回遊したユーザーのペルソナをもう少し深堀りして見ていきたいと考えています。そして次回のツーリズムEXPOジャパンに、今回の分析結果を活かして、より効果的なブース出展方法を模索していきたいです。

 2020年のツーリズムEXPOジャパンは沖縄で開催されることが決定していますので、その際の大阪訪問率などはぜひ見ていきたいですね。」(牧田氏)

▲牧田氏


インバウンドが大幅に注目されているが国内の観光需要も大事

──後にまだシナラを活用されていない、地方自治体や観光局の皆様へメッセージをいただけないでしょうか?

「国内人口が縮小する中、日本全体で今国外の観光需要喚起を国家施策として打ち出しています。我々自身もインバウンドにも非常に注力をしており全国の各地域も同様だと思います。一方で安定した観光需要を見込める国内も非常に重要だと考えています。国外の観光需要は政治的な要因や伝染病など不安定な点もあります。

 ですので国内からも選ばれる観光地を同時に目指すことが大事になってきます。その際は豊富な国内移動データを保有しているシナラさんを活用するのは非常に有効だと考えています。」(牧田氏)

──ありがとうございました。

> シナラのサービス資料請求はこちらから